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デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
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デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
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『DM企業戦士 時任俊之助』

第二十話 己の声を聞け


前回までのあらすじ
熊本浩介(くまもとこうすけ)は時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)の後輩で、DM企業戦士だ。熊本の相手は、転生舎の紫村士郎(しむらしろう)だった。紫村が掲げる理想を聞いて戸惑う熊本。その頃、百瀬(ももせ)は自分が得意とする光のカードを使いこなせず、頭を抱えていた。

「《早食王のリンパオ》でシールドをブレイク!」
熊本と紫村の対戦は少しずつ進んでいった。
「紫村さんは新種族のドリームメイトッスか……。自分は…」
熊本の場には、《青銅の鎧(ブロンズ・アーム・トライブ)》と《幻緑の双月(ドリーミング・ムーンナイフ)》が一体ずつ。使い慣れているが、古い種族を使ったデッキだ。
(ドリームメイトがどんな戦い方をするか、自分には判らないッス。古いデッキで、戦えるんスか…。それに…)
紫村には、美しい詩集を出すために戦うという目的がある。だが、熊本は、自分が何のためにここに立って戦っているのか判らなくなっていた。
「《幻緑の双月》を《大勇者「大地の猛攻」》に進化!《「大地の猛攻」》で《リンパオ》を攻撃!そして、《青銅の鎧》で《力持ちのジェロン》を攻撃するッス!」
相手に対する負い目から、どうしても守りに徹したような戦い方になってしまう。
「《ホップステップ・バッタン》を召喚して僕のターンを終了します」
紫村は軽いW・ブレイカーのクリーチャーを出す。クリーチャーの数では勝っているのだが、クリーチャーのパワーだけを見て熊本は戸惑っていた。
「何とか……何とかしないと……」

一方、こちらは子供達と、トーナメントの順番待ちをしている選手達が何人かいるフリーデュエル用の部屋。百瀬はまだデッキ作りをしていた。
「彼らはあなたに力を貸してくれますよ」
突然聞こえた少年の声に百瀬が顔を上げると、そこには一ノ瀬俊樹が立っていた。
「君……見ていたのか」
「ええ」
一ノ瀬少年は、百瀬の前に座るとテーブルの上にあるアーク・セラフィムのカードを見る。
「光が好きみたいですね。でも、アーク・セラフィムは光だけじゃないんですよ」
「そんな事は……判っている……!」
一ノ瀬少年にそう反論するが、百瀬はその言葉にひどく驚いていた。それが、百瀬のデッキの弱点だったのだ。
一ノ瀬少年は百瀬の前から離れる。すると、百瀬は自分が持っているアーク・セラフィムのカードを全て確認した。彼のデッキには、自然のカードが少なかったのだ。
「そうか……。アーク・セラフィムは光だけではない。彼らは自然文明のカードも入っている。両方の長所を活かすのが、新種族デッキを作る上での注意点……」
百瀬は、自分が世界一天才になったかのような錯覚を感じた。自分自身が天才ではなく、ただの凡人である事は判っている。だが、今まで見えなかった何かが見えた瞬間―見えない何者かに啓蒙された瞬間、その一瞬だけ人は天才になれる。その時の百瀬は、天才に近い存在だった。
「うわー、熊本ー!変なデッキはやめろー!」
情けない声と共に、時任がフリーデュエルの部屋に入ってくると、決勝トーナメントを映しているモニターを見た。
「よかった。ワイルド・ベジーズデッキじゃないみたいだ」
「時任、何を心配しているのだ?周りの子供が変な目でお前を見ているぞ」
「ああ、桃太郎」
ほっとしていた時任は、そこでデッキを組んでいた百瀬に気付いた。
「いや、俺野菜嫌いじゃん」
「小学生の頃からそうだったな。まだ好き嫌いがあるのか」
「熊本の奴が俺を倒すためにワイルド・ベジーズデッキを作ってるんじゃないかと思って……。ああ、当然子供達のフリーデュエルもするつもりだぜ」
「くだらんな」
どうでもいい事を心配している時任を見て、百瀬は呆れる。そして、この時確信した。
今の自分は間違いなく、時任に勝つ事ができる。
「そう言えば、桃太郎。そろそろエントリーの時間じゃないか?早く行った方がいいぜ」
「そうだな……」
百瀬は静かにその場を去っていく。
「今日の百瀬、私を桃太郎と呼ぶなって言わなかったな……」
いつもと違う百瀬の様子が気になる時任だったが、周りにいる子供達を見て、それをすぐに忘れてしまった。

「《深緑の魔法陣》で《地獄スクラッパー》をシールドへ!」
早くも終盤に突入した、熊本と紫村のデュエル。紫村のシールドは、今、増やした分を合わせて三枚。クリーチャーは《災勇鬼ダイゴクウ》と《幻獣提督ウー・ワンダフォー》が一体ずついる。
「《ダイゴクウ》の効果で、W・ブレイカーのクリーチャーが二体も……。自分は……」
熊本の場には、シールドが三枚。《光線人形ストリウム》が一体と、《青銅の鎧》が一体いるだけだ。クリーチャーのパワーでも押されている上に、相手のシールドにはシールド・トリガーが最低でも一枚入っている事が判る。
「熊本君、何やってんの!もっとしっかりしなさい!」
ふと顔を上げると、選手用の客席から文美が怒鳴っているのが見える。
「でも、文美さん。自分には、紫村さんみたいに格好いい理由なんてないッスよ」
「バカ!格好いい理由なんて、どうでもいいの!私達は仕事でこの大会に来てるのよ!大事な休日潰して来てんの!その人の詩集が人を感動させて役に立つかもしれない。それは素晴らしい事だけど、私達の仕事だって人の役に立たない事じゃない!」
熊本達の仕事は広告代理店。人の代わりに、多くの人に品物を宣伝する職業。それは、品物を作った多くの人の生活を背負うという責任がある仕事だ。
「責任がある……。だったら」
ならば、自分はこのデュエルで負けるわけにはいかない。
「すいません、紫村さん。自分にも、仕事がある以上責任があるッス。だから、負けるわけにはいかないッス!」
「判っています。それは僕も同じ事です!」
紫村のクリーチャーが一斉に攻撃し、熊本のシールドがすべて弾け飛ぶ。だが、最後の一枚が奇跡の入り口となった。
「シールド・トリガー、《母なる大地》を使うッス!《ストリウム》をマナに置き、そして……」
熊本が入れておいた、ビーストフォークではない一つの切り札。それは……。
「《無双恐皇ガラムタ》を場に出すッス!」
「《ガラムタ》……。攻撃した時にシールド・トリガーを防ぐクリーチャーですね。ですが……」
《ガラムタ》と《青銅の鎧》で攻撃しても、シールドは一枚残る。紫村にはまだ届かない。
「大丈夫!今手札に来たシールドと、引いたカードがあれば逆転できるッス!まず6マナ使って《青銅の鎧》を《大勇者「ふたつ牙」》に進化!」
これで、シールドを全て破壊できるようになった。だが、それでも直接攻撃はできない。
「まだ自分の召喚は終わっていないッス!《ふたつ牙》の効果で2マナ増えて、残り4マナ。《幻緑の双月》を召喚して、《大勇者「大地の猛攻」》に進化するッス!」
「そんな……!」
マナを増やし、小型進化クリーチャーを出す。逆転が成功したのだ。
「《ガラムタ》と《ふたつ牙》でシールドをブレイクするッス!」
これによって、紫村のシールドが全てブレイクされた。その中に、仕込んだ《地獄スクラッパー》ともう一枚の《深緑の魔方陣》があった。
「《大勇者「大地の猛攻」》で紫村さんを直接攻撃するッス!」
直接攻撃が決まった瞬間、歓声が会場を包んだ。己の信念を持った強敵に熊本は勝利したのだ。
「熊本さん、ありがとうございます」
「紫村さん、ありがとうッス!自分、頭が悪いから詩の美しさとか難しい事はよく判らないッスけど……でも、この大会はテレビで中継されているはずッスから、これを見た人の中で詩集を作るのに協力してくれるかもしれないッス」
「そうですね……。僕はまた、別の道を探してみます」
美しい詩集を出そうとした男、転生舎、紫村士郎敗退。だが、彼の戦いは熊本の心に何かを刻んでいった。彼が編集者として最高の詩集を出した時、熊本はきっとその本を買うだろう。

次回に続く(どんな事でも責任が存在する)

次回予告
一ノ瀬俊樹です。決勝トーナメント一回戦もいよいよ大詰め。最後は百瀬さんの試合です。どんなデッキを組んでくるんでしょうか。そして、試合が終わった後に百瀬さんが取った行動とは。次回『第二十一話 決戦~彼の意地~』。

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