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デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
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デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
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『DM企業戦士 時任俊之助』

第十四話 断罪の一撃


前回までのあらすじ
時任俊之助(ときとうしゅんのすけ)のライバル、百瀬光太郎(ももせこうたろう)は自分の事を「桃太郎」と呼ばれるのを嫌うDM企業戦士だ。百瀬の部下、雉宮(きじみや)に誘われて彼の出身大学の文化祭に来ていた。そこで行われているデュエル・マスターズの大会で勝利したのは、対戦時の態度の悪さ故に近所の大会から出場禁止処分を受けた鬼塚恭兵(おにづかきょうへい)という少年だった。対戦相手への罵倒を続ける彼に(「桃太郎」と呼ばれた事もあって)百瀬の怒りが爆発する!

「ほらよ、《パクリオ》であんたの《聖皇エール・ソニアス》をシールドに!」
デュエル開始から数ターン。鬼塚の場には、現在召喚した《パクリオ》と《予言者キュベラ》がいる。《スターマン》の進化への準備は整ったようだ。
「ほう、少しはやるようだな」
手札を減らされても、百瀬は動じない。じっと、相手の攻撃の仕方を考えている。
「私のターン、《宣凶師キンゼラ》を召喚して、ターンを終了する」
百瀬の場に並んでいるのは、《宣凶師キンゼラ》と《宣凶師ベリックス》のみ。シールドを攻撃できるクリーチャーは一体もいない。
「なめてんのかよ、おっさん!マナを溜めて、《スターマン》に進化ボルテックス!シールドをW・ブレイクだ!」
百瀬は攻撃をブロックしない。二枚のシールドを手札にくわえる。その中にシールド・トリガーはなかった。
「さらに《スターマン》の効果でシールドが増える!ザコが!」
「弱い者ほど、相手を挑発するものだ。真に上等なプレイヤーは挑発にじっと耐える事ができる者……」
百瀬は静かにカードを引く。そして、マナを溜めると手札から一枚のカードを出した。
「《宣凶師ベリックス》を《超戦攻賢者アギラ》に進化!」
「あれは、百瀬さんの新しい切り札だ!」
犬飼(いぬかい)が身を乗り出した。百瀬のデッキの内容を知らなかった雉宮もそのカードに驚く。
「《超戦攻賢者アギラ》はグラディエーターとアースイーターのパワーを2000プラスし、さらにその二種族がブロックする時にカードを引ける進化クリーチャー。リーダーがこのカードに目をつけていたとは……」
「私は攻撃をせずにターンを終了する。来い、鬼の少年」
「ふぜけやがって、鬼退治のつもりかよ!《魂と記憶の盾》で《キンゼラ》をシールドに!」
「くっ……!」
百瀬のブロッカーがいなくなる。無防備になったシールドに《スターマン》の一撃がくわえられた。
「これで、私のシールドは残り三枚か……」
本来ならば、非常に危険な状態だ。さらに鬼塚のシールドは《スターマン》の効果で七枚になっている。
「だが、シールドが手札にくわわった。これで私の選択肢も増えた事になる。《ベリックス》を召喚、さらに《宣凶師ベルモーレ》を召喚だ。そして、《ベリックス》の効果で手札に戻した《シークレット・クロックタワー》発動!」
百瀬は山札の上から三枚を見てその中から最適な一枚を加える。
「さあ、私のターンはこれで終わりだ」
にやりと笑う百瀬。相手をしていた鬼塚も危険を感じ始めていた。
「なめるな、《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を召喚だ!」
ドローのために《ミスト・リエス》が場に出る。相手もそれなりの戦略があるようだ。
「《スターマン》で攻撃!」
「《ベルモーレ》でブロックする。そして、私はこの効果でドロー」
《ベルモーレ》が強制的なブロックで墓地に行くが、百瀬は《アギラ》の効果で手札が増えた。その一枚は《シークレット・クロックタワー》の効果で操作したカードだ。
「では、私のターン。《ベリックス》を《聖皇エール・ソニアス》に進化!《アギラ》の効果でパワーは10000となる!これで、《スターマン》を攻撃!」
「くそっ、しまった!」
《スターマン》が墓地に行き、鬼塚のシールドが増える。切り札が消えたとはいえ、シールドは九枚、さらにクリーチャーが出る限り、手札が増える《ミスト・リエス》がいる。そう、鬼塚が勝つ可能性もあるのだ。

そして、デュエルは終盤に突入していた。
「《ホーリー・スパーク》でおっさんのクリーチャーを全てタップだ!今度こそ、ぶっ潰してやるぜ!」
鬼塚は、《ホーリー・スパーク》でタップされた《アギラ》を《スターマン》で攻撃する。百瀬のドローを支えていた《アギラ》は破壊された。
「これで、シールド回復。シールドがない状態まで追い込まれたが、これで残り一枚になった。だけど、あんたのはこれで終わりだ!《ミスト・リエス》でシールドをブレイク!」
ついに百瀬のシールドがなくなる。
百瀬には、《エール・ソニアス》。鬼塚には《スターマン》と《ミスト・リエス》。次のターン、《エール・ソニアス》で攻撃して、さらに直接攻撃をくわえなければ、勝つ事はできない。だが、相手のシールドにはシールド・トリガーが入っている可能性もある。
「ならば、勝利の女神に祈るしかないな」
百瀬は前髪をかき上げて微笑む。そこには、勝利を確信した彼の顔があった。
「私のターン、ドロー。そして、マナをチャージ。《宣凶師ベルモーレ》を召喚して、それを《超戦攻賢者アギラ》に進化!」
観客がざわめいた。《アギラ》で攻撃してシールド・トリガーが出なければ、百瀬が勝てる。
「《アギラ》で最後のシールドをブレイク!」
鬼塚はシールドを手札に加える。全ての者がそのカードを凝視した。
「残念だったな、シールド・トリガー、《予言者コロン》!」
「しまった、百瀬さん!」
犬飼が百瀬の表情を見る。《コロン》は場に出る時、相手クリーチャー一体をタップするクリーチャーだ。このままではとどめをさせない。
だが、百瀬の表情は変わっていない。
「おっさん、俺のターンだな。とどめを……」
「私のターンが終わったと、誰が言ったのだ」
両腕を組んで鬼塚を睨む百瀬。そして、場には《エール・ソニアス》がタップされていない姿で残っている。
「貴様の知識はそんなものか。雉宮、《エール・ソニアス》の効果をこの不真面目な少年に教えてやれ」
いきなり呼ばれた雉宮は百瀬の隣まで移動する。
「《聖皇エール・ソニアス》、グラディエーターの進化クリーチャーです。パワー8000のW・ブレイカー。そして、このクリーチャーは『相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない』という特殊能力を持っています」
説明を聞いた鬼塚の表情が歪んでいく。
「つまり、《コロン》の能力で《エール・ソニアス》はタップされない。《ホーリー・スパーク》なら危なかったって事ですね、百瀬さん」
客席の犬飼も解説をする。
「その通りだ、犬飼。では……」
百瀬の長い指が《エール・ソニアス》に触れる。
「この《聖皇エール・ソニアス》に映った貴様の姿……鬼に見えたり!《エール・ソニアス》でとどめだ!」
《エール・ソニアス》の直接攻撃が鬼塚に届く。悔しそうな顔でテーブルを叩いた鬼塚はデッキを片付けると、子供から奪ったカードを置いて逃げるように去っていった。
「さあ、少年。こっちへおいで」
デュエルを終えた百瀬は、カードを奪われた子供を手招きする。そして、近づいてきたその子供にカードを手渡した。
「取り返してやったぞ。もう、このカードを取られるなよ」
「ありがとう、桃太郎のおじちゃん!」
子供が上目遣いで百瀬に礼を言う。
「む……。仕方がない子供だ。今回だけだぞ、私を桃太郎と呼んでいいのは……」
百瀬はデッキを片付けると、それを持って移動する。犬飼と雉宮もそれに続いた。
「犬飼、雉宮」
百瀬は笑っている。普段の彼からは想像できないさわやかな笑顔だ。
「たまには、桃太郎と呼ばれるのも悪くはないな」

次回に続く(時任の出番が一度もなかったな)

次回予告
皆のもの、元気にしているか?百瀬だ。ついに開催される企業対抗デュエル大会。その予選は強いものだけが勝ち残るバトルロワイヤルだった。すでに予選は始まっているが、時任は遅刻だと!?ええい、何をやっているのだ、時任!次回『第十五話 開幕!戦士達の宴』時任、予選落ちなどしたら承知はせんぞ!

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