忍者ブログ
デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
[901] [900] [899] [898] [897] [896] [895] [894] [893] [892] [891
プロフィール
HN:
ネギ博士
性別:
男性
自己紹介:
デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
カレンダー
07 2017/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[03/02 木之本桜]
[03/01 木之本桜]
[02/07 木之本桜]
[05/29 K先生]
[12/25 N-W]
ブログ内検索
お天気情報
カウンター
『TOKYO決闘記』

東京連続失踪事件。
二十一世紀初頭の日本中を震撼させ、一種の社会現象を起こした。東京都内の人が多い繁華街などで、一人で歩いていた人が突如失踪するという現実にはありえないような事件。マスコミは連日この事件を報道し、世間の注目を集めた。事件発生当初、誰もがこの事件はすぐに解決するものと思っていた。だが、この事件に有力な目撃情報はなく、事件は迷宮入りとなった。人ごみの中で歩いていた人が突然消えたのに、目撃情報がないとは奇怪な事件である。
この事件において、ネット上では色々な憶測が飛び交っている。中には、宇宙人による実験サンプル入手のためという説もあった。どんな人がその説を考えたのかは知らないが、それなりに確信をついた意見とも言えるだろう。
私がこれから書き残す文書は、この不可解な事件の唯一にして正確な記録となるだろう。マスコミも知りえない情報を何故、私が知りえたのか?それは、簡単だ。私が東京連続失踪事件当事者の一人だからだ。
これは事件の記録であると共に、我が友、赤城勇騎(あかぎゆうき)が繰り広げた“真実の決闘”の記録である。

20XX年一月二十九日 一ノ瀬博成(いちのせひろなり)

第一話 始動


私立立法学園高校。中学、高校、そして大学と続く私立校である。そのため、それなりの知能がなければ入る事ができない。JRからのアクセスも容易であるため、品川区にある私立校の中では人気が高い。
文化祭が終わって一週間ほど経った、十一月初旬。放課後になってから、食堂に集まる生徒もいる。この学校の食堂は周囲の公立校の体育館二つ分近い広さを持っていて、料理の品質も良い。放課後は主に、自販機のジュースを飲んで会話に花を咲かせる生徒が多い。
とあるテーブルの一角に、二人の男子生徒がいた。紙に書かれた資料などもあり、何かの話し合いをしているようである。
「何というか……委員長も無茶な事言うよね。これは僕達みたいな素人が扱う事件じゃないよ」
一人は、標準的な体格の少年。多少、癖のある髪型をしていてどことなく大人しそうな顔立ちだ。上着についているバッジの色から、二年である事が判る。
「そうですね。まったく……女の考える事はよく判らない」
もう一人は身長が百八十近い少年だ。前髪が多少長く、四角いレンズの眼鏡をかけている。体は大きいが、彼は一年らしい。
「朝野(あさの)君、今の発言ちょっとまずいかも」
「そうでした。まあ、委員長みたいな活動的な女性よりは大人しい大和撫子が僕の理想なので、つい口に出てしまったようです」
「古いね」
「古き良き、と言ってください。そのためには、男が強くならなければ駄目ですが」
彼らはこの高校の新聞委員会のメンバーだ。二年の生徒は、一ノ瀬博成。現在の委員長のクラスメートであり、自分の活動に対してそれなりに誇りを持っている。
一年の方は、朝野正樹(まさき)。問題を見抜く力が非常に鋭く、一年の中でも期待されている。
「それじゃ、一ノ瀬先輩は新宿をお願いします。僕は、池袋に行ってきます」
「判った、気をつけてね」
正樹の方が行動力もあり優秀なので、博成が逆にこう言われた方がしっくり来るのだが、今回は取材する対象が危険なのでこう言いたくもなる。
東京連続失踪事件。東京都、もしくはその近辺で十代の少年や若者が、何の前触れもなく突如失踪するという奇怪な事件だ。中には大勢の目撃者がいる中での失踪もある。
本来、こういった大事件はマスコミの取材対象だと思われるが、委員長の独断により取材対象として選ばれてしまった。ジャーナリストになろうと思っている博成にとって、実戦での練習にはなるのだが、獲物があまりにも危険すぎる。だが、ある程度の取材をして高校生の委員会活動ではこれを記事にできない事を委員長に認めさせれば考えが変わるだろうと、博成は考えている。
博成は校舎を出てしばらく歩いた後、品川駅まで移動し、山手線に乗り込む。取材の後はすぐ帰宅するので、必要な物と勉強道具は全て鞄に入れてある。博成は念のため、手帳を取り出して今回の事件を確認した。
最初の事件では、中野駅付近のバス停で小学五年生の児童が消えた。児童は、塾に行く途中だったらしい。
第二の事件では、東中野駅付近のスーパーで菓子などを万引きした中学生らしき少年が突如、失踪。防犯カメラの映像を見ても、彼が外に出たとは思えない事から警察は、これを二回目の失踪事件と決めた。
第三の事件では、今まで起きた二つの事件とは違い、休日に起きた。大久保駅付近のレストランで食事をしていた専門学校生が料理を残して店内で失踪。店を出た様子はない。
三つの事件での共通点は少なく、失踪した現場にデュエル・マスターズのカードが何枚か落ちていたという事だけだった。
少なすぎる手がかりに戸惑いながらも、新聞委員会のメンバーは調査を始めた。といっても、今回は取材と称して行きたいところに行っているだけだ。取材費は実費なので誰も文句は言わない。
博成は新宿についてから、まず、デュエル・マスターズのカードを買いに行った。これは、被害者との共通点を作るためではなく、博成が趣味で遊んでいるからだ。彼はいくつかのパックと構築済みデッキを購入して、店を出ると崇島(たかしま)デパートに向かった。崇島デパート付近には、大型の本屋があるので暇つぶしに向いている。
JRの電車を横目で見ながら、崇島デパートに隣接した本屋への道を歩く。
「ねえ、君もデュエルするの?」
周りの喧騒の中で、子供の声が一際鮮明に聞こえた。博成が足を止めると、黒い服と黒い帽子で身を固めた子供が博成を見ていた。小学生だろうか。博成はこれくらいの子供が一人で新宿にいる光景を見た事はない。周りにも子供の親はいないようだった。
「ぼくとデュエルしようよ。嫌だとは言わせないよ」
子供の目に不気味な何かを感じ、博成はその場を離れようと思った。だが、その瞬間恐るべき光景に絶句した。
「誰も……いない?僕ら以外、誰も……」
ついさっきまで博成と子供の周りには大勢の人がいたのに、一瞬にしてそれが消えている。まるで、東京連続失踪事件のように……。
「君で四人目。勝てたら逃がしてあげてもいいけど、負けたら罰ゲーム。さあて、何をしようかなぁ。今回こそまともなデュエルをしたいなぁ」
肩を震わせながら、子供はくすくすと笑う。あまりにも非日常な光景を見ながらも、デュエルという言葉に反応した博成は、買ったばかりの構築済みデッキを取り出した。
「違うよ。君が使うデッキはそれじゃない。もっといいデッキがあるでしょ?」
子供がそう言うと、空から高速で二つの物体が落ちてきた。地面にめり込むほどの衝撃と共に着地したそれは、灰色のデッキケースだった。そこには、カードの裏面に描かれている龍のような模様が刻印されている。
「さあ、そのデッキを取りなよ。取れたら、デュエルしてあげる」
おかしな事を言って、子供は地面からデッキケースを取る。博成もデッキを拾おうとして、手を止めた。
「東京連続失踪事件には、君が起こしたのか?」
「知りたい?知りたいなら、ぼくに勝てばいい」
博成は本能的にこの子供が失踪事件に関与している事を察した。それも、被害者ではなく加害者の立場だ。
とにかく、今はデッキを使ってデュエルをしなくてはならない。空からデッキが降ってきた事など、疑問は残るがその謎について考えるのは後でいい。博成がデッキに手を伸ばした瞬間、見えない圧力によって彼は後ろに突き飛ばされた。
「いてて……。何が起きたんだ?」
起き上がった博成は、立ち上がってもう一度デッキに手を伸ばすが、再び突き飛ばされる。
「だめだなぁ、君も戦う前からゲームオーバーだよ」
冷たい言葉が子供の口から漏れる。彼がデッキケースから一枚のカードを取り出した。それは絵も色もついていないカード。フレームだけが描かれた、クリーチャーなのか呪文なのかクロスギアなのかすら判らないカードなのだ。
「君もこの中に消えちゃえ!」
恐怖を感じた博成は後ずさりを始めるが、すでに遅い。子供は博成に向かって空白のカードを投げつけた。
多分、あの中に入ったら失踪事件の被害者のように、二度と現世に戻れなくなる。博成は自分の置かれた危険な状況を、一瞬で理解した。
「嫌だ……。消えるのは嫌だ!」
だが、カードが博成の体に触れる直前、炎に包まれて燃え尽きた。予想外の事に戸惑ったのは博成だけではない。カードを投げた子供も同じようだった。
「東京連続失踪事件。デュエル・マスターズのプレイヤーを見つけては勝負を挑み、敗者は何も描かれていない空白のカード、通称『ブランク』に閉じ込められる」
二人以外誰もいない世界に、男の声が響き渡る。博成が後ろを向くと、立法高校の制服を着た少年が二人に近づく。
鋭い目つきに無駄な筋肉のない体。そして、黒い短髪。彼はこのおかしな空間の中にいても、堂々としていた。
「やはり、新宿に来たか。ここで待っていれば、事件に遭遇できると思っていた。俺の予想は正解だったな」
その少年は、博成が触れる事すら出来なかったデッキケースを拾い上げる。
「デュエルをするんだろう?言っておくが、俺は強いぞ」
そう言った途端、少年のデッキが太陽のように赤く輝き出した。それに博成は驚き、対戦相手の子供も驚いていた。
「デッキが赤く光るなんて……。お前、保持者か。何者だ!」
少年は子供を強く睨むと、神々しい口調でこう告げた。
「覚えておけ。俺の名は赤城勇騎。お前達に制裁を与える者だ!」

第一話 終

第二話予告
一ノ瀬博成の目の前に現れた謎の少年、赤城勇騎。灰色のデッキケースを赤く光らせるこの少年は、特殊な力を使ってクリーチャーを実体化させる。保持者、そして、謎の異空間。
「まずお前は、俺の前で軽率な行動をした事を後悔し、そして俺にデュエルを挑んだ事を後悔するだろう」
熱き決闘が今、始まる!
第二話 追跡

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    icon by MiniaureType

忍者ブログ [PR]