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デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
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デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
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『TOKYO決闘記』
私、一ノ瀬博成(いちのせひろなり)は立法学園高校の二年生で、新聞委員会に所属している。東京連続失踪事件の犯人らしき少年と赤城勇騎(あかぎゆうき)が行ったデュエルは勇騎の勝利で幕を閉じた。だが、勇騎は言っていた。この事件は終わっていない。
勇騎が扱うと赤く輝くデッキ『プロミネンス』。敗北した少年の中からブレイン・ジャッカーを吸い込んだ、空白のカード『ブランク』。そして、自分に絶対の自信を持つ謎の少年、赤城勇騎。謎を孕(はら)んだまま、勇騎の戦いは続く。
20XX年 一ノ瀬博成

第三話 怪談


「な、頼むよ、一ノ瀬。俺の高校生活最後の記事なんだからさ。でっかく頼むぜ!でっかく!」
「はあ……先輩のおっしゃる事は判りますけど……」
今日も博成は学食にいた。昼食時や、作業をしていない時の新聞委員会の委員は、学食にいる事が多い。博成の場合、ここで色々な噂話に耳を傾けて記事になる情報を探したり、委員達と情報交換をしたりしている。
今日は、すでに活動を引退した先輩の委員、木下章介(きのしたしょうすけ)と話をしていたのだ。木下は身長が高く、甘いマスクを持っているため、女性から見た第一印象は悪くない。人と話すのが大好きなのは長所だが、彼の場合、自分ばかりが話すため周囲の人間を放置する事が多い。木下と上手に付き合うには、彼の話を真面目に聞かない事だ、と新聞委員会のメンバーは言っている。
博成は、木下が持ってきた記事を見た。彼は今まで、学校新聞でコラムを連載していたのだ。タイトルは『健康そうなコラム』である。これは、健康法ではなく、木下が独自に考えた健康そうに見える行動を書いたコラムなのだ。意外にも、生徒からの評判はよく人気のコーナーとして続いていた。最終回となった今回のコラムはトマトジュースに関するコラムだった。
「これからは受験シーズンだろ?そうなると、寝ないで勉強する奴も出てくる。徹夜をしている時には栄養ドリンクを飲んでしまいそうになるが、そこをトマトジュースに変える。そうすれば、間違いなく健康になれるはずだ!」
「……そうですか」
何故、栄養ドリンクから変更する飲み物がトマトジュースでなければならないのか判らないが、そこを追求しない方がいい事を博成は学んでいた。
「じゃあ、頼んだぜ!俺の最後の記事で受験生のトマトジュースの需要が上がったらすごいよなぁ」
「先輩が率先して飲んだらいいじゃないですか。受験も近いでしょうし」
木下も三年ならば受験をするはずだ。偏差値の高い私立校で、進学を希望しない三年は皆無に等しい。しかし、木下は余裕である。
「はっはっは、ギャグで言ってんのか、一ノ瀬ちゃんよ。俺、推薦で受かっちゃったから受験勉強なんて必要ないの。他の奴が悲鳴あげながら勉強している間、俺は笑いながら遊びまくっちゃうぜ!」
なるほど。博成も木下の余裕が納得できた。三年にとって最大の難関である受験が消えれば、後の少ない高校生活はまさに天国である。
「ふぅ……厄介な仕事を残してくれたもんだよ」
木下が去った後、博成はまだ手をつけていない日替わり定食を食べ始める。木下のコラムに人気があるといっても、そのために紙面を割くのは大変だ。現在活動中の博成としては、無意味なコラムよりも後輩ががんばって書き上げた記事を載せたいと思う。だが、先輩の最後の仕事を認めたいと思う気持ちもあった。
「中間管理職は大変だな」
声がして隣を見ると、そこには勇騎が座っていた。彼はカロリーメイトに清涼飲料水といった簡単なメニューの昼食を摂っていた。考えようによっては、昼食ともいえないような質素な食事だ。
「そんなもの食べて味気なくない?」
「食事は栄養補給のための手段だ。素早く必要な栄養を摂取するのが目的。味のような娯楽性など必要ない」
「そういわれると、そうなんだけどさぁ……」
勇騎を見て、博成は改めて考える。東京連続失踪事件は終わっていない。そして、その裏にはデュエル・マスターズのカードを使った陰謀が隠されているのだ。
「事件も記事にするのか?」
カロリーメイトを見たまま勇騎が口にする。せっかくの取材を無駄にしたくなかったので一度は記事を書こうとした博成だったが、あんな不可思議な事を信じてくれる者などいないだろう。
「書くつもりはないよ。書いたって誰も信じてくれない」
「それが懸命だ。それに、お前が事件を詳しく知っている事が知られたら、お前の命の保障はできない」
淡々とした口調で言う勇騎と、驚いて彼を見る博成。そうだ、博成は命の危険を勇騎に救われているのだ。
「それでも、これ以上首を突っ込むほどお前は愚かな人間じゃないだろう」
警告を終えたのか、勇騎は去っていった。非常に短い食事時間である。
「そう言われても気になっちゃうのが新聞委員の悪いところなのさ」
博成は危険を身に感じながら、この事件と戦っていく決意をしていた。東京連続失踪事件の真相を全て知る。事件を記事に出来なかったとしても、無駄にはならないと信じている。
放課後、博成は学校の最寄り駅に来ていた。この付近にある学習塾で奇妙な事が起きているらしい。
その学習塾では、怪談のような噂が流れている。塾に通う前は落ちこぼれ同然だった生徒が、いきなり優秀になるという。だが、非常に優秀になった生徒はある日、突然失踪するというのだ。あくまで噂なのだが、これは一連の失踪事件に関連があると思った博成は、その学習塾を調べる事にした。
「で、結局お前と一緒か」
隣には、途中で出会った勇騎がいる。彼もこの学習塾を調べにきていたらしい。博成の勘は間違っていなかった。
「赤城君、この塾は変わってるんだよ。先生がおもしろい人で、授業の合間にデュエルをするんだって。その効果で頭がよくなった子もいるみたいだよ」
「デュエルで頭がよくなる?奇妙な話だな」
勇騎が疑問に思うのも判る。博成も本当の事だとは思えなかった。
「赤城君って、何で今の時期に転校してきたの?」
学習塾へ向かう途中、博成は疑問に思っていた事をぶつけてみた。簡単な質問をいくつも重ねて相手が油断したところに、本題の東京連続失踪事件に関する質問をするのだ。
「お前には、関係がない」
だが、勇騎の返答は素っ気無いものだった。彼の性格を考えるとそんなものなのかもしれない。
東京連続失踪事件も謎が多いが、勇騎という存在も謎に包まれた部分が多い。事件を追うのと同時に、何とかして勇騎という存在についても知りたいと博成は思っていた。
「着いたぞ」
勇騎に言われて前を見ると、そこは目的の学習塾が入ったビルだった。勇騎が先に行ってしまうので、博成も慌てて追いかける。
博成と勇騎は、塾長らしき三十代の男と会議室で話をする事になった。事前に、ユニークな授業内容を取材したいと連絡を入れてあったのだ。
「ここでは、勉強の合間の休憩にカードゲームを取り込んでいると聞きました。おもしろい休憩ですね」
「ええ、効果は微々たるものですが、持続すればその効果ははっきりと表れると思います。カードゲームをする事で、咄嗟の判断力が身につき、頭の回転が速くなるのです。あくまで、勉強の休憩としての話ですが」
塾長は笑顔で話しながら、目は笑っていない。取材中に何度か勇騎を見ていた。一方、勇騎は腕を組んで座ったまま、無表情で塾長を見ていた。
「どうもありがとうございました。学校新聞ができたら、こちらにも一部持ってきます」
「ああ、それはうれしいですね。色々な人に私達の活動をアピールできれば、幸いです」
取材を終えて、博成が立ち上がったが勇騎はまだ座ったままだ。そのまま、じっと塾長を睨んでいる。
「一ノ瀬は先に帰っていろ。俺はまだ聞きたい事がある」
「赤城君……!」
やはり、この塾長は東京連続失踪事件に関わっているのだ。それも加害者側で。
すると、塾長は低い声で笑い始めた。
「なるほど、さっきから気になっていたが、やはりお前は保持者だったのか!丁度いい。こちらも保持者を探していたところだ。お前のせいで、こちらの計画に支障が出始めたところなんでね」
「貴様の都合など俺には関係ない。答えろ。ここは表向きは学習塾で、裏ではデュエリストの養成施設となっている。しかも、この塾で失踪したのは、その中でもハイレベルな存在だ。教育はうまく行っているようだが、こんな玩具で俺達は倒せない」
勇騎が取り出したのは、この前の子供から受け取った灰色のデッキケースだった。それが赤く輝くと、一瞬で灰になった。
「今回の目的は一つ。この施設を潰す事だ!」
勇騎は赤く輝くデッキ『プロミネンス』を取り出した。その赤い光は彼が内に秘めた熱い思いそのものだ。
「忘れているのか、保持者。ここは私のテリトリーだ。お前を倒す準備などとっくにできている!」
会議室のドアが開き、三人の中学生が入ってくる。三人とも目が黒く濁っていて表情がない。そして、右手には灰色のデッキケースを持っている。
「ここで終わりだ。『プロミネンス』も私が頂こう」
塾長は、三人の中学生に守られるようにして部屋の外に出た。この三人を倒さない限り、外には出られないようだ。
「赤城君、どうするのさ!?」
「三人集まったところで俺の敵ではない。来い!」
勇騎のデッキが輝き、一人が前に出る。そして、それと同時に世界が変わる。特別なデッキを持つ者だけが存在できる、現実に酷似した異世界へと変化した。
「最初はお前からか。命知らずだな」
互いにカードが宙に浮き、取りやすい位置で収まる。そして、五枚のシールドが青く輝いた。
「そのデュエル、俺も混ぜてもらおうか」
突如、ドアが吹き飛び、一人の少年が中へと入ってくる。
銀色の長い髪。すりきれたジーンズと茶色のジャケットが目立つ背の高い少年で、年齢は勇騎や博成と同じくらいに見える。切れ長の目が三人の中学生をじっと見ていた。そして、その右手には勇騎と同じような輝くデッキが握られている。それは、緑色のデッキだった。
「ほう、『グランドクロス』の保持者か…」
勇騎が呟いた。もう一人の保持者の乱入。三人の敵を相手に緊張した空気が流れていた。
第三話 終
第四話予告
勇騎、博成の前に現れた第二の保持者。事件に関連する塾長を追いながら、勇騎と少年は対立している。
「お前か俺か、どちらかがこの戦いに勝利し全てを得る。敗者は全てを失う」
勇騎達の戦いの目的とは、何か?
第四話 獣人

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