忍者ブログ
デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
[917] [916] [915] [914] [913] [912] [911] [910] [909] [908] [907
プロフィール
HN:
ネギ博士
性別:
男性
自己紹介:
デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
カレンダー
07 2017/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[03/02 木之本桜]
[03/01 木之本桜]
[02/07 木之本桜]
[05/29 K先生]
[12/25 N-W]
ブログ内検索
お天気情報
カウンター
『TOKYO決闘記』

私、一ノ瀬博成(いちのせひろなり)は立法学園高校新聞委員会のメンバーで高校二年生だ。
金城豪人(かねしろごうと)は、保持者が扱うデッキの誕生秘話について私に話した。それが生まれた研究所は、人々を自由に操れるブレインジャッカーをも生み出した場所だった。東京連続失踪事件の鍵を握る二つのものが同じ場所で生まれたのは偶然なのだろうか?
その頃、勇騎は、『エクスプロード』の保持者、墨川一夜(すみかわかずや)と共に、敵のデュエリストを倒していた。戦闘後、睨みあう二人の保持者。誰も止められない激しい戦いが始まろうとしていた。
20XX年 一ノ瀬博成

第九話 怪盗


「『幻緑の双月(ドリーミング・ムーンナイフ)』でシールドを攻撃!」
「けっ!シールドトリガー、『デーモン・ハンド』だ!!」
勇騎と一夜。
月に照らされながら、二人の保持者が激突していた。一進一退、どちらも退かぬ激しい戦いだ。
「『ブレイブハート・ドラグーン』を『超竜騎神ボルガウルジャック』に進化!『パルピィ・ゴービー』を破壊し、そのままシールドブレイクだ!」
『ボルガウルジャック』の横薙ぎで、一夜のシールド二枚がブレイクされる。これで、一夜のシールドは残り一枚だ。そして、彼には『ノクターン・ドラグーン』が一体いる。
勇騎のシールドは三枚。クリーチャーは一体だが、残ったのはこのデッキの切り札、『ボルガウルジャック』だ。
「どうした。俺を殺すんじゃなかったのか?」
宿敵相手に余裕が出てきたのか、勇騎は一夜に対して挑発的な表情を見せる。一夜は首を落とし、髪を顔の前にたらしながら、肩を揺らしている。
「泣いている?それとも、俺に倒される恐怖で震えているのか?」
疑問に思った勇騎だったが、それはどちらも違っていた。
「くくくく……かかか、かーはっはっは!」
一夜は空に舞う月を見上げるように、高らかに笑う。それは心の底からこの状況を楽しんでいる笑い。この世のどんな快楽よりも、彼の本能を刺激し、興奮させるデュエルで彼は誰よりも幸せそうに狂喜していた。
「ゼロ号、お前は最高だ!もっとだ!もっと俺を殺しに来い!俺はお前を、お前の持っている全てをバラバラにして砕いてやるよォォォ!!」
一夜がカードを引く。今度は、高らかな笑みとは違い、静かににやりと笑った。
「俺を殺す事ばかり考えて、ブロッカーの『パルピィ・ゴービー』を先に殺したな?俺の『ノクターン・ドラグーン』を殺しておけば、仕込んでおいたこいつが、暴れなくてよかったと後悔するぜェェッ!!」
「まさか……。しまった!」
勇騎は自分が予想以上に熱くなっていた事を後悔する。『ノクターン・ドラグーン』は一夜の切り札の進化元だと判っていたはずだ。だが、一刻も早く一夜を倒そうと思って焦っていたせいか、ブロッカーを破壊していた。
「もう遅ェ!『九龍騎神ドラン・ギレオス』に進化ァッ!!」
進化した『ドラン・ギレオス』の効果で勇騎の手札にあった『ボルガウルジャック』が捨てられる。さらに、勇騎のシールド二枚がブレイクされた。
「くっ……、シールドトリガーはないか。だが、『ボルガウルジャック』のパワーなら、『ドラン・ギレオス』とバトルして勝つ事ができる。『ストリーミング・チューター』で手札を増やし、『幻緑の双月』を召喚。『ボルガウルジャック』で『ドラン・ギレオス』を攻撃!」
振り下ろされる剣の一撃によって、『ドラン・ギレオス』はかき消される。
「何手間取ってんだァ、ゼロ号?お前の実力はそんなもんじゃねェだろォ!」
「俺をゼロと呼ぶな!」
勇騎が叫ぶのと共に、『ボルガウルジャック』が闇の中に消え去った。よく見ると、一夜が『デーモン・ハンド』を使っている。
「バトルゾーンだけじぇねぇ。手札もだ!『ノクターン・ドラグーン』召喚!ゼロ号の手札にある、『エクスプレス・ドラグーン』を全て墓地へ!」
勇騎が進化元として温存していた『エクスプレス・ドラグーン』が、手札から消える。展開は彼にとって、不利になってきた。
「『パルピィ・ゴービー』を召喚する」
それでも、まだデュエルは終わっていない。だが、それを見た勇騎は愕然とする。そこにクリーチャーが一枚も存在しなかったのだ。
「テメェ、今、山札を見てショックを受けたな?俺に殺される未来を感じて、恐怖しただろ?」
「『ストリーミング・チューター』を使う」
『ストリーミング・チューター』によって勇騎の手札にくわえられたカードを見て、一夜は満足そうに笑った。
「あの強かったゼロ号が、運に見放されやがった!お前は!今!俺に殺される事が決まったァァァッ!!」
一夜の笑い声をBGMにして、勇騎の『幻緑の双月』は最後のシールドをブレイクした。その瞬間、最後のシールドが黒く輝き、クリーチャーへと姿を変える。
『サイレント・ドラグーン』。それは、ティラノ・ドレイクのシールドトリガークリーチャーだ。
一夜が『黒神龍ギランド』を召喚し、それを『ドラン・ギレオス』に進化させる。
「『ドラン・ギレオス』で『幻緑の双月』を攻撃!そして、効果で『パルピィ・ゴービー』を撃破!」
この瞬間、勇騎のクリーチャーはバトルゾーンから全て消えた。そして、容赦なく一夜の攻撃が襲い掛かる。
「『ノクターン・ドラグーン』で、最後のシールドを撃破ァァッ!!俺の勝ちだ!お前は地べたを這いずって、みじめにくたばりやがれェ!」
「いや、死ぬのはお前だ」
勇騎の闘志のように最後のシールドが赤く輝き、その光が、今まさに攻撃をしようとしていた『サイレント・ドラグーン』を焼き尽くした。
「シールドトリガー、『地獄スクラッパー』だ。どうやら、俺はまだ運に見放されていないらしいな」
そして、勇騎は静かに山札からカードを引く。今まで自分の勝利を信じて疑わなかった一夜は、そのカードから目が離せなくなった。
「これで、終わりだ。『ブレイブハート・ドラグーン』、召喚!」
シールドもブロッカーもいない一夜にとって、スピードアタッカーの『ブレイブハート・ドラグーン』を防ぐ方法はない。
「『ブレイブハート・ドラグーン』で、墨川一夜を攻撃!俺の前から永久に消え失せろ!」
速度を上げながら突進する『ブレイブハート・ドラグーン』。炎にも似た赤い輝きを見ながら、一夜は笑った。
「くくく、けけけけけけ……!俺が、負ける……?俺がァァ、ゼロ号に殺されるゥゥゥ!?」
「ああ、その通りだ。……消えろ!」
だが、一夜にその攻撃が達しようとするその時、音もなく、全てのクリーチャーが突然消え去った。
消えたのは、クリーチャーだけではない。勇騎と一夜が持っていた手札、そして山札も姿を消した。そして、輝きを放っていた『プロミネンス』と『エクスプロード』は、灰色になって地面に落ちた。
「……何だ?何が起きた……?」
宿敵を倒す直前になってキャンセルされた攻撃。それを疑問に思う間もなく、勇騎の体に激痛が走った。
「何が起きた……。後一歩なんだ……!」
だが、勇騎の激痛は酷くなる。まともに立っていられなくなった彼は、膝をついて息を荒くしながら一夜を見る。
「ぐおおぉぉぉっ!何だ!体が……体がァァッ!まともに動かねェッ!チクショォォォッ!!」
同じように地面に倒れた一夜は這いずって『エクスプロード』に手を伸ばすと、ふらつきながらも立ち上がり歩いてその場を去った。
「……『プロミネンス』。……このデッキはまだ、俺を試しているのか」
勇騎は、地面に落ちていた『プロミネンス』を手に取り呟く。光を失った彼のデッキは手にとっても光を取り戻す事はなかった。
痛みが走る体に力を入れて立ち上がった瞬間、彼の目が光る。右目は青く、左目は赤く……。一瞬の変化を見ていた者は誰もいなかった。
「ぐぅぅ……うおおおおお!」
寝床代わりに使っている廃屋で、一夜は吠える。勇騎と対戦した時の痛みが全く引かないのだ。体に巻かれている包帯をかきむしりながら、寝転がって部屋の中で暴れている。
「ぐおおお……こんな、中途半端な戦いは、認めねェ。俺がゼロ号を殺す瞬間を、ゼロ号が俺を殺す瞬間を……どんな理由があっても止めるのだけは許さねェ。何が起きやがった、チクショオオッ!!」
一夜は、『エクスプロード』を壁に投げつける。鈍い音がして、壁はへこんだが、デッキは無傷だ。そして、彼は右目の包帯に手をかけ、それをむしるようにして引っかき始めた。
「かゆい……かゆい、かゆいかゆいかゆいかゆいかゆいんだよおおぉぉぉッ!!」
音を立てて破れていく包帯。その中から現れた彼の右目は、赤く、怪しく、一瞬だけ光ったのだった。

「住所を見ると、この辺りなんだよね……」
その二日後の日曜日。住宅街の静かな朝。博成は、勇騎の住所が書かれたメモを持って歩いていた。
昨日、勇騎が学校に来ていなかった事が気になるのだ。豪人が話してくれた保持者に関する秘密。保持者とそのデッキが、クリーチャーの世界で作られた物だと知った博成は、勇騎に聞いてもっと深くこれについて知りたくなった。消極的とはいえ、彼も新聞委員会のメンバーなのだ。好奇心はある。
「あー、博成君だ!」
子供のような高い声を聞いて、博成はメモから顔を上げる。見ると、私服姿の日芽(ひめ)が黒いラブラドールレトリーバーを二匹連れて立っていた。
「日芽ちゃん、おはよう」
「うん、おはよう。こんなところで何をしてるの?もしかして、新聞委員会の取材?」
「いや、そうじゃないんだよ。勇騎君が昨日休んでいたから、気になって見舞いに来たんだ。……勇騎君の性格だから、喜ぶかどうかは判らないけど」
博成がそう言うと、日芽は首を横に振って笑顔を見せた。
「そんな事ないよ!お兄ちゃん、きっと喜ぶと思う!わたし、これから帰るところだから、一緒に行こう?」
そういうと、日芽は二匹のラブラドールレトリーバーをリードで引きながら、博成を先導して歩き出した。
博成は、思い出す。勇騎と日芽の保護者、赤城博士は二人の親と呼べるような年齢ではない。世の中には色々な事情があるので、絶対にそうだとは言えないが、この二人は赤城博士の親戚か何かなのだろう。以前、朝野正樹(あさのまさき)もそう言っていた。
「着いたよ、ここがわたしの家」
ある一軒家の敷地に日芽と博成が入る。日芽がドアを開けて、博成はその中に案内された。もちろん、二匹の犬も一緒である。
「お兄ちゃーん、博成君が来てるよー!」
玄関に入ると、すぐに階段が見えた。二階に向かって日芽が言った、という事は、勇騎の部屋は二階にあるのだろう。
「お兄ちゃんの部屋、二階に行って左だから。今は起きてると思うよ」
「うん、案内ありがとね」
日芽は「チョコ、ミント、行くよ」と言って、二匹のラブラドールレトリーバーを連れて奥へ行ってしまった。博成はそれを見届けてから、二階に上がる。
二階には三つの部屋があった。入って右の部屋は日芽の部屋らしく、ドアに可愛らしい表札がかかっている。左手のドアは何の装飾もないシンプルなもので、勇騎の性格を現していると言える。博成がドアをノックすると、勇騎の返事が聞こえたので中に入った。
勇騎の部屋の中はシンプルだった。六畳ほどの部屋の中にパイプベッドと本棚が一つ、勉強用の机が窓際にあるだけだ。
勇騎は机の上にノートパソコンを置き、調べ物をしていたようだった。博成が入ってくると、体を来客へ向ける。
「えっと、勇騎君。体は大丈夫かな?」
「ああ、問題ない。……見舞いに来てくれたのか?」
勇騎の表情が少し、柔らかくなる。ほんの少しの変化だったが、博成は勇騎の和らいだ表情を初めて見た気がした。
「うん!そうなんだよ!あと、聞きたい事もあってね」
博成は、豪人から聞いた話をしながら、見舞いの品として買ってきたカードのパックを勇騎に渡す。
「金城さんは、『ある異世界』って言ってたけれど、それは僕達の言うデュエル・マスターズの世界……つまり、クリーチャーの住んでいる世界だと思うんだ」
話し終わった博成の顔をしばらく見ていた後、勇騎は「鋭いな」と呟いた。
「金城の説明ならば、大抵判ると思うが、俺達保持者も俺達のデッキもクリーチャーの世界で作られたものだ。俺達のデッキは、五つのカタストロフィーと同じように……いや、それ以上のエネルギーを秘めている。五つ揃えば、そのエネルギーによって何が起こるかは判らない……」
博成は思い出す。クリーチャーの世界は五つのカタストロフィーによって崩壊しかけた、と。ならば、それ以上のエネルギーを持った五つのデッキが揃った時、この世界もただではすまないのかもしれない。
「今のところ、五つのデッキ全てを揃えようとする保持者はいないようだ。『グランドクロス』を使っていたヴェルデは何を望んでいるか判らないから、奴の場合はどうなるか判らんがな」
「じゃあ『エクスプロード』の保持者は……?」
博成の言葉に、勇騎は少し動揺した。表情は変わらないが、目でそれが判る。
「奴の求めるものは、俺も判らない。だが……」
勇騎の目から動揺は消えた。今あるのは、博成が見ていて震えるほどのオーラだ。
「奴は俺が倒さなければならない男だ」
勇騎には、まだ謎が多い。東京連続失踪事件の謎が全て解けるのが先か、それとも、勇騎の謎が解けるのが先なのか。追いかけなければ、どちらの謎も絶対に解けないだろう、と博成は考えた。
「そう言えば、勇騎君、何か調べてたよね?一体、何を調べてたの?」
「ああ、これか」
話題を変えた博成に反応して、勇騎はパソコンの画面を見る。博成もそれを覗き込んだ。そこには、怪盗アルケーに関するニュースが表示されていた。
「一昨日、俺は怪盗アルケーを追った。途中、邪魔が入らなければ、奴を捕まえる事ができただろう」
「怪盗アルケーを捕まえるの?」
朝野に聞かせてやったら、喜びそうな話題である。彼ならば「探偵と怪盗の対決!これが古き良き浪漫の世界です!」と言って興奮するだろう。
「俺の勘が正しければ、怪盗アルケーは保持者だ」
怪盗と保持者。何の繋がりもないが、同じ世界にいた勇騎だからこそ判る何かがそこにあるのだろう。だが、それだけでは納得できない。勇騎ならば、論理的にその結論に辿り着いたはずだ。
「勇騎君、どうして怪盗アルケーが保持者だと思うの?」
「奴を捕まえてから説明する。奴は一昨日にも仕事を済ませていて、今日も動く可能性がある」
勇騎はパソコンを操作して、とある美術展のホームページを出した。そこには、初めて日本にやってきた作品が展示されているのだ。
「この美術展は今日終わる。そして、明日は美術館の休館日だ。奴は、作品が片付けられる際の隙を利用して仕事をすると予想している」
「今日動くって事は、今日アルケーを捕まえに行くの?」
博成の問いに、勇騎は頷いた。
怪盗であり、保持者でもある人物との戦いは気になる。だが、あまりにも急すぎる。
しかし、勇騎の戦いを見たい気持ちは抑えられない。
「僕も行くよ!手伝えるか判らないけれど、僕も気になるから着いていきたい!」
「お前なら、そう言うと思っていた」
勇騎は微笑むとパソコンを閉じた。

ヴェルデが寝床にしている暗い倉庫。冬が近く、気温が低いにも関わらず彼は平気でここに寝泊まりしている。それは、彼の肉体が気候の変化に強いからできる事なのだ。
壁に寄りかかって仮眠を取っていたヴェルデは、倉庫の中に誰かが入ってくるのを感じて目を開けた。そして、すぐに『グランドクロス』を取り出す。
「誰だ」
入って来た男は三人。同じような緑色のコートを身に纏っている。フードをかぶっているので、顔はよく見えない。
その中で、中央の一人だけ灰色に輝くデッキを持っている。
「敵、だな」
ヴェルデが『グランドクロス』を緑色に輝かせる。それが戦闘開始の合図だ。
だが、目の前のコートの男はデッキを地面に置いた。予想外の出来事にヴェルデは困惑する。
「保持者のヴェルデさんですね。僕達はあなたの敵ではありません。あなたにお願いがあってここに来ました」
デッキを持っていた中央の男はフードを取る。肩まで伸びた黒髪のその青年は、ヴェルデの顔を見据えて言った。
「ヴェルデさん、一本杉四神……いや、彼の組織を倒すために力を貸して下さい!」

第九話 終

第十話予告
ヴェルデの元に現れた謎の男。彼らは、東京連続失踪事件を終わらせるために戦う者達だった。
一方、勇騎と博成は夜の街で怪盗アルケーを追い詰める。
「美しい物は、その価値が判る者の物だ」
激突する勇騎とアルケー。二人の技が、博成を魅了する。
第十話 月夜

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    icon by MiniaureType

忍者ブログ [PR]