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デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
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デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
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『TOKYO決闘記』

私、一ノ瀬博成(いちのせひろなり)は立法学園高校の二年生で、新聞委員会に所属している。社会を震撼させている東京連続失踪事件の調査のために、新宿に向かったところ、不気味な子供からデュエルを挑まれる。その子供が持っていた白いカード。そのカードの中に失踪事件の被害者が消された可能性は高い。
そこで、不気味な子供から逃げようとする私の前に現れた立法学園の生徒。事件について何か知っているような口ぶりの少年は、赤城勇騎(あかぎゆうき)と名乗った。太陽のように赤く輝くデッキ。そして、子供が口にした「保持者」という言葉。私と勇騎の戦いはここから始まった。

20XX年 一ノ瀬博成

第二話 追跡


赤城勇騎と名乗った少年と、灰色のデッキケースを持った子供。二人が発する緊張感に満ちた空気が、新宿に類似した世界に流れていた。
「赤いデッキ『プロミネンス』の保持者か……。ここは一度逃げた方がいいかも」
子供が呟いた瞬間、誰もいなかった世界に喧騒が戻ってくる。周りには大勢の人がいた。博成達三人を誰も見ていない。
「いいか!ぼくは負けが怖いから逃げるんじゃない!対策を立てるために逃げるんだ!」
子供はそう言うと、背を向けて走り出した。
「助けてくれてありがとう。僕は二年の一ノ瀬博成だ」
子供が去って自分が安全になった事を確認した博成は、勇騎に向けて右手を差し出す。
「いくつか教えて欲しいんだけど。まず……どうして僕を助けてくれたの?」
「たまたま同じ学校の奴が渦中にいた。だから、助けた。それだけの事だ」
それだけ言うと、勇騎は歩いて去って行く。
「ちょっと待ってよ!まだ聞きたい事がたくさんあるんだ!」
博成の言葉に勇騎は足を止めて言う。
「やめておけ。お前はこの事件から手を引いた方がいい。しばらくカードにも手を触れるな」
勇騎の言う事は正論だ。だが、博成も黙ってはいられない。
「僕は、一人のプレイヤーとしても新聞委員会のメンバーとしてもこの事件の真相を知りたいんだ!危険だと言われても、僕は戦う!」
それは、売り言葉に買い言葉のようなものだった。博成だってこんな危険な事件の調査はしたくない。だが、あの子供は間違いなくデュエル・マスターズのプレイヤーを狙っている。これは許しがたい所業だ。
「言って判らないのなら、仕方がない。警告はしたぞ」
「ああ、判っている」
睨みあう二人。そこへ、軽快な足音と共に何かが近づいてくる。
「ゼーローっ!」
そして、それは弾丸のように勇騎にぶつかると止まった。博成は、それが立法学園高校の女子生徒だと理解した。
体が非常に小さく、身長は百五十センチに満たない。制服の上着が大きいのか、袖で手が半分ほど隠れていた。
髪は肩まで揃った栗毛色をしていて、瞳は丸く小動物の目のようにくりくりしていた。
「ね!ね!この周り調べてみたよ!でもね、事件起きなかったみたい。新宿は広いから探すのが大変だね。もう飽きたから帰ろうよ~」
高い声でそう言うと、その少女は両手で勇騎の手を引く。
「事件ならもう終わった」
「ええ~~っ!もうやっつけたの!?すっごーい!さすがゼロだよね!」
ぼそっと言う勇騎に対して、少女は全身を使って喜びを表す。対照的な二人だった。
「家の外で俺をそう呼ぶな」
「あ、ごめんね。お兄ちゃん!」
「お……お兄ちゃん!?」
少女の言葉を聞いて博成は驚く。勇騎の性格と少女の性格に違いがありすぎるからだ。
驚く博成を尻目に、勇騎と少女は歩いて行く。途中で勇騎が立ち止まり、博成を見た。
「あの餓鬼が起こした事件には法則性がある」
その一言を告げると、少女と共に去ってしまった。
「法則性……?デュエル・マスターズのカードだけじゃないのか?」

次の日の昼時。学食にいる勇騎を博成は少し離れた席から見ていた。新聞で顔を隠しているので、勇騎から博成の顔は見えないはずだ。だが、この新聞には小さなのぞき穴がついているので、博成は勇騎の様子を観察できる。
「一ノ瀬先輩、何をしているんですか?」
「うわっ!」
後ろから声をかけられた博成が心臓を押さえて振り向くと、そこには胡散臭(うさんくさ)そうな目で博成を見る朝野正樹(あさのまさき)が立っていた。食事が乗った盆を持っているので昼食を摂りに来たのだろう。彼は、博成の向かいの席に座る。
「東京連続失踪事件の調査をしているんだよ。彼が関係者なんだ」
博成は、勇騎を指して言った。
「二年の赤城勇騎さんですか。最近、妹の日芽(ひめ)さんと一緒に転入した人ですね」
「転入?」
私立の高校で転入してくる生徒は珍しい。しかも、二年のこの時期なら尚更だ。
「あの二人の保護者が、工学の分野で有名な赤城博士らしいんですよ。赤城博士の年齢で高校生の子供がいるとは思えないので、親戚の子供か何かだと思います」
「詳しいね」
博成は、自分の学年に転入生が来ていたという事すら知らなかった。学園内の情報ならば、正樹の方が詳しい。
「それよりも先輩。事件の調査を続けるつもりですか?まだやる気なのは、先輩と委員長くらいですよ」
「ちょっとおもしろい事が判ったから。僕だけで調べるつもりだから、君に迷惑はかけないよ」
博成はそう言うと、再び新聞越しに勇騎を観察し始めた。

その日の放課後、博成は電車に乗って次の目的地に向かっていた。最初は勇騎を尾行するつもりだったが、途中で見失ってしまったのだ。だが、事件の法則性が判ったので、次に事件が起きる可能性のある場所に向かっている。
十一月になると、日が落ちるのが早い。目的の駅を降りるとイルミネーションが闇夜を照らしていた。
「ここでまた会うとはね」
博成の眼前には、昨日の子供が立っている。博成がこの場所を当てた事に驚いているようだった。
「昨日会った奴、赤城勇騎が教えてくれたのさ。この事件には法則性があるって。中央線の駅でしょ?」
子供は答えない。自分よりも下だと思っていた存在に追い詰められるようで、不愉快なのだ。
「最初の事件は、中野駅付近。第二の事件は、東中野。第三の事件は大久保駅。そして、昨日は新宿。そして、今日は代々木駅」
博成の後ろにはJR代々木駅の出口がある。彼は、勇騎が出したヒントだけでこの場所が判ったのだ。
「その通りだ。思ったよりも頭がいい奴だな」
後ろからやってくるのは、勇騎だ。その目は倒すべき敵をじっと見ている。
「気に入らない。もう勝った気になって……。ぼくはお前達なんかグチャグチャに潰してやるんだ!」
子供が叫んだ瞬間、世界が変わる。そこには、勇騎と博成、そして子供だけしかいない。
空から落ちてくる二つのデッキケース。二人のデュエリストはそれを手に取った。
「赤城君!ここ、テーブルとか何もないよ。地面の上にカードを置いてデュエルするつもり?」
「大丈夫だ。このデッキは特別だから」
勇騎がそう言ってデッキケースを開けると、ものすごい勢いでカードが飛び出した。子供のカードもデッキケースから飛び出して空を舞う。ばらばらに飛んでいったカードは四十枚の束になって勇騎の前に降りてくる。
「カードが宙に浮くなんて……」
そう、そのカードは透明なテーブルの上に置いてあるかのように、宙に浮いていたのだ。宙に浮いたデッキは上の五枚のカードを飛ばし、ドアほどの大きさの青い光となって勇騎の前に並ぶ。その後の五枚は勇騎の手に飛んできた。
「すごい……。マンガである真のデュエルみたいだ」
博成は、そこまで言って気付く。これが真のデュエルと同じものだったとしたら?
負けた方は死んでしまうのだ。
「赤城君!」
勇騎は横目で博成を見た。
「お前もいたんだったな。日芽、下がらせろ」
「はーいっ!任せてよ、お兄ちゃん!」
どうやら、そこには昨日の少女、日芽もいたようだった。日芽は博成の手を握ると、そのまま空に浮いたのだ。
「って、何で?何でぇーっ!」
日芽を見ると、彼女の背中にはオレンジ色をした鳥の羽が生えていた。人が消えた世界に、赤く輝くデッキ。そして、真のデュエル。
「もう、目茶苦茶だ……。これじゃ、記事を書いても相手にしてもらえないだろうな」
「何をぶつぶつ言ってるの?ここで見ていれば危なくないよ!」
博成は直線距離にして、勇騎から五十メートルほど離れたところにいる。デュエルのダメージを受けないという点ではいいが、日芽が手を離したら落ちてしまうので、危険な事に変わりはない。
「あ、もう始まっているみたい」
日芽に言われて二人が対決している場を見る。始まったばかりだというのに、子供のシールドは残り二枚。クリーチャーもいなかった。
だが、勇騎のシールドは無傷で『ブレイズ・クロー』、『ザック・ランバー』がいる。その二体のクリーチャーは実体を伴ってコンクリートの地面に立っているのだ。
「ま……負けてたまるか!ぼくは強くなったんだ!こいつの力を借りて誰にも負けないくらい強く!」
子供は『ベノムカプセル』と『メルニア』を召喚する。
「このターンを耐えて、勝ってみせる!」
「そうか。俺はこのターンで決着をつける」
勇騎はマナのカード四枚をタップし、一枚のカードを空にかざす。マナのカードから出た赤い光が手に持っているカードに吸収されて力を与えている。
「『レジェンド……アタッカー』!」
勇騎が呪文の効果を使った瞬間、『ブレイズ・クロー』と『ザック・ランバー』が赤く輝き出した。
「『ブレイズ・クロー』、シールドを破れ!」
突撃した『ブレイズ・クロー』が一枚ずつシールドを砕く。その中にシールドトリガーは一枚もない。
「行け、『ザック・ランバー』……。とどめだ!」
そして、突進した『ザック・ランバー』が子供を剣で切り裂いた。子供は、ゆっくりとその場に倒れていった。
「強い。あんなに早く勝負を決めるなんて……」
勝負が終わり、カードは再び自動でデッキケースに戻った。勇騎はその中から一枚のカードを取り出す。それは、昨日博成に投げられた『ブランク』と呼ばれる白いカードだ。
「封印せよ、『ブランク』。勝者は俺だ」
すると、子供の体から黒いもやが出てきて『ブランク』の中へと入っていく。もやが全て消えると『ブランク』は一枚のクリーチャーになっていた。
「赤城君。それは?」
日芽に下ろされた博成は、勇騎に近づいて聞いた。博成が見た『ブランク』のカードは見た事がないブレイン・ジャッカーが描かれていた。
「この子供に憑いていたクリーチャーだ。一連の事件の犯人だよ」
勇騎は子供に近づくと、彼を立たせた。子供は生きていて、傷一つない。
喧騒が戻ってくる。元の世界に戻ったのだ。
「ぼくは負けてしまったの?弱いから?」
泣きそうな声で子供が勇騎に聞いた。勇騎は優しい表情をしてその場に座ると、目線を子供の位置に合わせた。
「確かにお前は負けた。だが、それを活かせば強くなれる。誰かの力を借りるよりもずっと強く……」
諭すような勇騎の言葉。それは、彼自身の経験に裏打ちされているような気がした。
「だけど、あのクリーチャーはぼくを弱いって言った。ぼくは強くなりたかった……」
「もし、お前にそんな事を言う奴がいたら、今度は俺を呼べ。俺がそいつらを全員倒してやる」
「ありがとう、名前も知らない人。あと、これあげるね」
子供は自分が持っていた灰色のデッキケースを渡すと、走って去っていった。
「赤城君。これで、事件は終わったの?」
全てが終わってから、博成は勇騎に近づいた。クリーチャーに操られていたとはいえ、あの子供が力を失ったなら事件は終わったのだろう。だが、勇騎は厳しい顔をしていた。
「今回の事件は終わった。だが、東京連続失踪事件はまだ終わっていない」
「そんな……」
博成は自分の考えが甘かった事を思い知る。考えてみれば、人間に憑けるクリーチャーがあれだけとは限らないのだ。
「だが、安心しろ。奴らの目的はある程度判っている。その内の一つにこのデッキを俺から奪う事がある」
勇騎は手に持っている赤いデッキを見せた。元々は灰色のデッキケースだが、勇騎が触れる事によって赤く輝くデッキ。これは特別なデッキなのかもしれない。
「奴が俺を狙ってくるならば、俺は奴らを全員倒す。一体も残さず、全員だ」
力強い言葉。この時、赤城勇騎、一ノ瀬博成、赤城日芽達の戦いが始まったのだ。

第二話 終

第三話予告
勇騎の予言通り、事件は終わっていなかった。マスコミや警察も知らない失踪事件。それを追っている内に、博成はとある学習塾の先生に出会う。
「デュエルで頭がよくなる?奇妙な話だな」
謎だらけの事件に勇騎が挑む!
第三話 怪談

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