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デュエル・マスターズについて語る非公式ファンサイトです。
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デュエル・マスターズ初心者向けを意識した記事を書いています。
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『TOKYO決闘記』

私、一ノ瀬博成(いちのせひろなり)は立法学園高校の二年生で、新聞委員会に所属している。東京連続失踪事件と関連があった学習塾。そこで繰り広げられる三人のデュエリストとの戦い。我が友、赤城勇騎(あかぎゆうき)は信念を持って戦っているらしい。そして、『グランドクロス』の保持者。彼もまた己の信念のために戦っているのだろうか?
新たな事件の種を残しながら、私達の危うい日常が今日も繰り返される。
20XX年 一ノ瀬博成

第五話 美学


池袋のサンシャインシティプリンスホテル。その高層階に一組の男女が若い男女が泊まっていた。
一人は、二十歳前後の若い青年。白いスーツと各所に散りばめられたアクセサリー。中でも、首から下げた勾玉のようなアクセサリーが特徴的な派手な外見の男だ。スーツ自体は良品で高い物だと一目で判る。
もう一人は、薄い緑色の和服に身を包んだ黒髪の少女。柔和な笑顔が見る者を優しくさせる、大和撫子という言葉を体言したような少女だ。
「美和(みわ)。随分とご機嫌だね」
青年が少女に聞く。美和と呼ばれた少女は、観光用のパンフレットを持って青年の顔を見る。
「はい、池袋には水族館がございますから。楽しみでございます」
そう言うと美和は青年を潤んだ瞳で見た。美和と長い付き合いの青年は、彼女の言いたい事を悟った。
「そんな顔をしても駄目さ。今回、僕がここに来たのは調査のためだからね。それは美和も判っているだろう?」
「はい、豪人(ごうと)様」
美和は青年の言葉に頷くが、やはりどこか残念そうな顔をしていた。
青年は名を金城(かねしろ)豪人といい、連れの少女は佐倉(さくら)美和。彼らが何者なのかは、いずれ明らかになるだろう。
「遊ぶのがいけないとは言ってない。僕は調査に行くから、一人で遊んでおいで」
豪人は優しい声で言うが、美和は不安そうな顔をしていた。
「豪人様お一人で本当に大丈夫ですか?先日のように、女性に囲まれて大変な思いをしないか心配ですわ」
「ああ……心配いらないよ」
豪人は美和の視線から少しずつ目をそらしながら言った。その女性というのは、豪人がナンパした女性なのである。
「大丈夫。美和は僕だけのもので、僕も美和だけのものさ。これだけは絶対に変わらない」
ゆっくりそう言う事で、美和の表情が少しずつ和らいでくる。
「豪人様。怪我などなさらないよう、くれぐれもお気をつけ下さい」
「判ってるさ。じゃあ、僕は先に出て調査に行ってるから。美和は、好きなところに遊びに行っておいで。夕食は、二人で待ち合わせて一緒に食べよう」
豪人が『一緒に』を強調して言うと、美和は頬を赤くさせて
「はい、豪人様!」
と、うれしそうな顔で答えた。

「これで、よし……と」
立法学園は土曜日も授業がある。そして、放課後になると新聞委員会は活動を始める。
博成は、校内の掲示板に新しい学校新聞を貼り付けていた。
立法学園の学校新聞は、生徒全員に配られる。本物の新聞と全く同じように作られていて、一面には大きなカラー写真が載っている。今回は、木下が書いた最後のコラムが載っている。うそ臭い内容の記事なのだが、きちんとした文章で書いてあるので本当の事のように思える。
博成は、最後の一部を学食の掲示板に貼り、今日の仕事を終えた。ふとテーブルを見ると、そこには勇騎(ゆうき)がいてカロリーメイトを食べていた。
「仕事は終わったか?ご苦労だったな」
以前と同じように博成に目を向けずに食事を続ける勇騎。博成は、彼の手元にあるペットボトルに目がいった。
「トマトジュース……?」
「ああ、お前の先輩が言っていた健康法とやらを参考にしたんだ」
博成は一瞬呆れた顔をして、あれは実際に調査も実験もしていない健康法である事を伝えようとした。だが、それよりも先に勇騎が口を開く。
「あれは奴の思いつきだけで仮説の裏づけとなるようなものが何もない事くらいは判る。だが、問題はそんな事ではない。俺が試す事に決めたのだ。意外と思い込みの効果で健康になれるかもしれないぞ」
勇騎が言うと、木下のコラムが間違っていないように思えるから不思議だ。ぽかんと口を開けた博成の前で、勇騎はカロリーメイトを食べ終え、トマトジュースを飲み干した。
勇騎はすぐに立ち上がると、歩き出した。博成も彼に着いていく。
「来るな、と言ってもついてくるつもりだな」
「もちろんだよ。この事件について僕は本気で調べてみようと思うんだ」
「命を落とす事があるかもしれない。それでも、俺達の戦いに入ってくるのか?」
それも判っている事。だが、勇騎の口から改めて言われるとその重さを感じる。それでも、博成の決意は変わらない。
「僕は、一人のプレイヤーとしても新聞委員会のメンバーとしてもこの事件の真相を知りたいんだ!楽しいはずのデュエルでひどい事が起こっているのに、黙っている事なんてできないよ!」
言葉に出して自分の気持ちを確認する博成。勇騎はもう何も言わなかった。
勇騎が向かっていたのは学園の地下にあるコンピュータ室だった。その内の一台の前に座り、ネットで何かを検索している。
「何か調べ物?僕も手伝おうか?」
「必要ない。今までの俺の行動は、他人のためになったかもしれんが今回は完全に俺自身のためだ」
そう言った勇騎はものすごい速度でキーボードを打ち、目まぐるしく変わる画面から情報を拾い集めている。目的が判らない博成には、手伝う事ができない。
「そこまでだ。『プロミネンス』の保持者」
ドアが開き、よく通る声がコンピュータ室に響く。入り口に立っていたのは白いスーツ姿の青年、金城豪人だった。険しい表情で勇騎を見ている。
「ねえ、勇騎君の事を見て保持者って言ってるよ。あの人もクリーチャーに取り憑かれているの?」
「いや、奴は保持者だ」
勇騎は立ち上がると豪人の方をじっと見た。
「僕は金城豪人。『ネオウエーブ』の保持者だ」
自己紹介をした豪人は、右手に持っていた黄色く光るデッキケース『ネオウエーブ』を突き出した。
「俺の名は赤城勇騎。覚えておくんだな」
勇騎も『プロミネンス』を取り出す。いつも以上に張り詰めた空気が二人の間に流れるのを博成は感じていた。
「この世には二つの人間がいる。誰よりも美しく勝利する者と誰よりも醜く敗北する者。僕は常に正しく上等な人間だ!」
「何があったのかは知らんが、熱くなりすぎているな」
勇騎がもらした一言に、豪人がかみついてきた。
「熱くなりすぎるだと!?貴様、僕の美和を誘拐しておいて、そんな挑発的な口を……!」
「誘拐……って!勇騎君が!?」
博成は驚いて豪人の顔と勇騎の顔を交互に見回す。豪人はスーツのポケットから一枚の紙を取り出して、博成に渡す。
「何々……。『佐倉美和は預かった。返して欲しければ、互いのデッキをかけてデュエルをする事だ。保持者 赤城勇騎』こんなの、おかしいよ!勇騎君はこんな事をするはずない!」
「部外者は黙っていろ!僕は自分の所有物を奪われるのが何よりも嫌いだ!」
「所有物……。女の人ですよね?物扱いはまずいんじゃないですか?」
「安心しろ。美和もこれくらいは理解している」
自信たっぷりに豪人が言うと、その件に関して博成も引き下がらなくてはならなくなった。
「この熱い奴に、この事件の真相を教えてやらなければならないな。その前に、デュエルが先か……」
勇騎が静かに、だが熱く念じると、世界が少しずつ変化する。そこには普通の人間は存在できない。そこに存在するのは、戦う意思を持ったデュエリストだけだ。
「金城豪人。真実の前に崩れ落ちるがいい」

第五話 終

第六話予告
美和をさらった真犯人。それは、東京連続失踪事件を裏から操る組織だった。勇騎と豪人は美和の居場所を見つけ、そこへ乗り込む。
「私と戦うには、まだ絶望が足りない。そう感じないか?」
組織を束ねる謎の男、二階堂十三階(にかいどうじゅうさんかい)。そして、第四の保持者が牙をむく。
第六話 激突

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